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たった一言で印象が大きく変わります。
アメリカの社会心理学者のケリーは、人を紹介するときに使う性格特性を示す語が、印象形成にどのような影響を及ぼすのかを調べるために、次のような実験をしました。
ある授業を履修している大学生に新しい教師が来ることを伝え、事前にその教師についての略歴と紹介文を配布しました。紹介文は2種類あり、一方には性格特性を示す言葉として「温かい」という語が挿入され、もう一方には「冷たい」という語が挿入されています。それ以外は全く同じ文章です。
実験の結果、「温かい」と記された紹介文を読んだ学生のほうはその教師を「うちとけた」「社交的な」「人気のある」といったユーモアのある人物として好意的に評価しました。
ところが「冷たい」と記された紹介文を読んだ学生たちは教師についてあまり好意的な評価をしませんでした。
このような実験を重ねた結果、社会心理学者のアッシュは印象形成にはいろいろな性格特性が均等な重みで関与しているのではなく、「温かい」や「冷たい」などのある特定の特性が中心的な機能を果たしていると考えました。そして、そのような特性を持つ語を中心語をいいます。
つまり、中心語をうまく使って相手に情報を与えれば、同じ情報であっても受けての印象を操作できるというわけです。