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現在はアナウンスシステムが完備され、トラブルが起こったら素早く迅速な対処の仕方を指示してくれます。
しかし、情報を伝達する電話、電気が寸断されるほどの大規模な災害の場合には、情報を受け取ることが難しくなり、パニックが起こりやすくなる恐れがあります。
1983年、まだテレビのない時代のことです。オーソン・ウェルズが制作した火星人襲来のドラマがラジオで放送されました。放送中、何度もそれがフィクションであることは伝えられていましたが、物語を聞いていた600万人のうち、100万人余りの人たちが、現実のニュースと認識して強い不安を感じたり、逃走行動を起こしたりとパニック状態に陥りました。
火星人襲来はあくまでドラマなので、冷静に現実と引き合わせて考えれば、ドラマの進行上いくつかの矛盾点が発見できます。しかしパニックを引き起こした人たちは、まずこの内在的チェックに失敗しました。そして、いつも通りの静かな道路を見て「すでにみんな逃げてしまったのだ」と勘違いするなど、外在的チェックにも失敗したのです。
すでにパニックに陥った他人から誤った情報を受けてしまい、さらに大きなパニックの要因になりました。
感受性の強い人ほどパニックになりやすく、パニックのような群衆行動は、社会的背景も重要な要素となります。