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◎高いものはいいものだ
ビールの利き酒実験をしたところ、味や質に関係なく、高い値段がつけられたものから高級ビールと判定されました。また、売れ残った洋服に高い値札ををつけておいたところ、すぐに売れてしまったという話もあります。
「高いものはいいものだ」の論理は、マーケティングの分野ではよく知られた現象ですが、心理学的にいうとどういうことなのでしょうか?
アメリカのスーパーで、同じ食パンに異なる金額のキャッシュバックサービスをつける広告が配られました。もちろんこれは実験です。キャッシュバックの金額は、25セントと35セントの2通りです。実験の結果、25セントの広告を受け取った人は60%の人がパンを買いにやってきましたが、35セントの広告を受け取った人は40%の人しか買いに来ませんでした。
キャッシュバック分の金額を差し引きすると、前者は高い食パンで、後者は安い食パンということになりますから、高い食パンのほうが売れ行きがよく、安い食パンはあまりよくなかったということになります。
ものの価値がよくわからない場合、あまりに安すぎたり、または過大な報酬を約束されたりすると、人は他人から「絶対に買うべきだ」と強要されているような気分になってしまいます。
こうした圧力を感じた人は脅かされた行動の自由を回復しようとして、勧められた行動をあえて敬遠しようとします。