LINE ID:@duarc
オーストリアの精神医学者フランクルは、生活の意味を見出そうとする意思を喚起させる実存分析的精神療法を提唱しています。彼はその立場から、精神分析によってコンプレックスや心的外傷(トラウマ)に由来するとされている症例の中にも、実は生きていることの意味を見出すことができないような欲求不満が原因であるものが多いと指摘しています。これを「実存的欲求不満」と呼んでいます。
このような状態に陥った人は、「今頑張れば、やがてよくなる、夢が叶う」というような時間的展望をなくし、日々を何の目的もなくその場しのぎに過ごし、自由と責任の重みからも逃れて集団の中に埋没していく傾向が見られるようです。
フランクルは、人間にとって重要なのは、自分の人生がどれほど意味のあるものと思えるかどうかだと言っています。
そして、人間は本質的にはその意味を見出そうとする意思に支配されているといっています。